wallstat は、
「パソコン上で建物を3次元的にモデル化し、過去に起きた地震や想定される巨大地震などの様々な地震動を与え、木造住宅の地震による揺れを動画で確認(見える化)することができるソフトウェア」(「(一社)耐震性能見える化協会」様HPより抜粋」)で、木質構造の研究者・技術者を対象として、WEB 上に公開されています。
「見える化」された、木造住宅の地震による揺れは、
ご覧のようなCG動画(これは2005年に公開された、実大振動台実験を再現したものです)で確認することができます。
このように、wallstatを用いることで、建物の地震波に対する各部の挙動がリアルタイムに顕わになります。そして、それら挙動のひとつひとつは、建物にとって真に必要な構造強さ実現への、重要な拠り所となります。
wallstat は、2010年の公開からバージョンアップを繰り返し、2025年の時点で「バージョン5.1.12」です。さらに暮らしやすい世の中の実現を目指して改正を繰り返す、建築基準法などの各法令・基準と同様に、このソフトウェアも「最新鋭であるけれども、究極には途上」の状態を保ちながら、これからもさらなる更新が進められてゆくようです。
振動台での実大実験(実際の建物を「人工の地震」で揺らして挙動を確かめる)と同等の検証をパソコン上でおこなえること、そして、その検証を踏まえた改善、再度の検証、さらに再度の改善・・・を何度でも繰り返せることは、地震に強い住宅・建築物の実現に向けて、強力な「武器」となってくれます。
さらに、建物の揺れを具体的・詳細なCG動画で検証(見える化)できることは、クライアント様など一般の方々からの「なぜそこに壁・柱が必要なのか?」などのご質問に対して、構造上の意図をご説明する際のツールとしても理想的です。
以上のことから弊社では、自社の設計・監理業務において、wallstat を最大限活用しています。一例として次回、モデル化したプランをwallstat で実際に揺らしてみた様子について、その動画をご紹介します。
