6-10:コストから逆算したプランニング中編(10/11)

今回は、一連の「家づくり(新築)」のなかで実際にどのようなことが起きるのか、これまでの経験を思い出しながら、「建築主さんから、どのように見えるのか」を想像して以下のように、ステップ1から4に分けて書き出してみました。

【ステップ1】
予算と要望を設計者に伝えて、一か月後、ラフプランができあがりました。

具体的なスケッチを目にして、このような考え方があるのかと驚かれたり、それならばここはこうしたい、あそこはああしたいと、あなたのイメージと要望は、当初とは少し異なるものに変化しました。

ご家族での話し合いや設計者との打ち合わせを続けるなかで、当初のご要望にはメリハリがついて、そのぶんだけ実現する重みを増してゆくなかで、基本設計案が完成しました。

【ステップ2】
模型(またはCGなど)によって基本設計案を確認すると、その形や質感は、なるほどこうなるのかと、イメージがより明確になりました。

基本設計案と模型を基にして、さらに多方面で詳細な要素について考える、実施(じっし)設計がはじまりました。描かれる図面の縮尺もより原寸に近い大きさになり、断面、そして建物すべての表面について、検討と作図が続けられているようです。

たとえば、基本設計案ではイメージできなかった内容、例えば階段下を利用したPCコーナーのカウンター奥行き寸法、あるいはその脇のモデム収納用の棚の目隠しの方法、またはコンセントの差込口や配線を目立たないようにするにはどうすればよいのか等、実施設計中の打ち合わせでは、そうした詳細な内容の打ち合わせと図面の書き換えが繰り返されて、やがて設計完了しました。

【ステップ3】
完成した実施設計図をもとにした、(実際に工事をおこなう)各専門工事業者からの見積書が集まりました。見積書をもとに、予算と照らし合わせながら、仕様の再検討・最終決定をおこないます。最終決定に基づいた内容で、専門工事業者と請負契約を締結して、さあいよいよ着工です。

地縄張り、地鎮祭、基礎工事、棟上、上棟式を経て、家はそのボリュームを次第にあらわし、外装内装が整うにつれて完成時のイメージに近づいてゆきます。

【ステップ4】
打ち合わせを何度も重ねてデザインや使い勝手を検討したけれど、あらためて現場で見ると下駄箱の位置は変更前の位置がよいなあと、(あなたは)思い直しました。

工事管理者に相談したらまだ再変更は可能とのことで、工事も無事完了し、同じように「ここはこうしたいなあ」とあらためて現場で思った箇所について再検討(と変更)をおこないながら工事は順調に進み、完成・引渡しを迎えました。

いかがでしたか?

ダイジェスト版でしたが、実際の家づくりもこのように

1:基本設計
2:実施設計
3:見積・工事金額の確定
4:着工~完成

といった、4つのステップを経て完成します。
そしてそのあいだ、各ステップにおいて建築主さんには

「どの案を採用する(しない)のか?」

という判断・決断を絶えず求められますが、判断・決断を下すには、


・その内容と、
・コスト


についての情報が不可欠です。

「コストから逆算したプランニング」とは、計画の早い段階から、その内容に応じたコストを示すことにより、予算に対する現在位置をその都度確認(逸れていれば軌道修正)しながら計画を進めてゆく手法です。

坪単価だけでは拾いきれない内容について、金額の見通しをつけながら家づくりを先導するスキルは、計画内容の細分化、個別化が進んだ昨今の家づくりにおいて、私たちつくり手には、必須であろうと考えています。

次回、「先導するスキル」についてもう少し書き加えて、この話のまとめとします。

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