9-3:分離発注ってなんだろう(3/5)

ここまでをみると分離発注、なんだかよいことだらけです。
ならば今回は敢えて、分離発注に潜在するデメリットについて、検証してみます。

まずは、
家づくり一般における「業界内でよく目や耳にする、建築主(クライアント様)が遭遇するトラブル」

を時系列でとりあげて、それが分離発注特有のものなのかを検証してみます。

ではまず「建築主(クライアント様)が遭遇するトラブル」から。

(1)基本設計        

・計画がまとまらない  
・要望の聞き取り拾い出しに問題がある 
・論点整理ができない
・気に入ったデザインではない 
・要望が反映されていない  
・提案に共感できない
・質問に対してクリアーな回答や提案をだしてもらえない
(特に構造とコストの裏付けに基づいた回答と提案)
            

(2)実施設計       

・実施図ができあがらない 
・建築として成り立たない(基本設計時の見込みが甘い)
・そもそも実施図がない(!)
・実施図の内容が薄い   
・要望があるのに詳細な聞き取りをおこなってくれない
・質問に対してクリアーな回答や提案をだしてもらえない
(特に水まわりの収納関係について、初期設定が甘い)
            

(3)積算・見積
      

・予算内にまとまらない
・予定の時期に着工できない
・修正案に共感できない 

(4)着工、(5)竣工・引渡し          

・調査不足により法令の制限にふれて着工できない
・打ち合わせと現場での内容が違う
・変更・修正の打ち合わせをしても現場に反映されない
・希望日に引き渡してもらえない

けっこうたくさんありますね。

けれどこれらは 個々のスキルに起因するものばかりで、分離発注特有のデメリットとはちょっと言いにくい です。

強いてあげれば前回の記事をさかのぼって、「合計30回程にのぼる、各工事金額の支払い(銀行振り込み)をクライアントさんにやっていただく煩雑さ」がデメリットに該当しそうですが(「キャンプのカレー作りの手間みたいなもので、手をかけたぶんだけ楽しかった」とのご感想も伺うのですが・・)、それ以外は存在しないのか?

確証はないのですが何かが抜け落ちているような気がします。

全体を見て、メリットとの釣り合いがこれではどう考えても取れない。不自然です。どこかに隠れた何かを見落としているのではないか?あるいは考え方が硬直して、目の前に見えるものを歪めているのか?

どうやら、これまでの自身の考えを「もう少し外側」に拡げなければ、正確な答えを導けないのかもしれません。ちょっと頭をひやしながら次回に向けて、すこし考えてみます。

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